11/10 KTM−ツムリンタールーカンドバリ
 カトマンズトリブバン空港12:00、ルクラ、ポカラなどの便が全て飛んだあと。定員14名。我々以外はネパール人。飛行中左手にエベレスト、マカルー、カンチェンジュンガが良く見える。40分でツムリンタールに着陸。空港に降り立ったとたんあまりの暑さに吃驚する。Tシャツは持ってきていない。出発までの時間にヌードルスープを食べる(35Rs)、お茶は5Rs。ジープが待っている。カンドバリまで借り切ると3000Rsだという。ガイドと3人で1000Rsで交渉、OK。砂埃で先が見えない赤土の道を1時間走りカンドバリに着く。丘の上にひろがる大きな町で商店が数多くあり驚いた。アラティホテルに入る。

ツムリンタール
11/11 カンドバリークワパニーフルル(1900m) 徒歩1時間
 今年はクワパニまでジープ道が出来ている。来年はヌンまで繋がるらしい。ジープは待機しているがお客がいない。2000Rsで話をつけるが運転手はお客をさがしに何処かえ行ってしまう。やっと4〜5人のネパール人を見つけて出発する。深く轍の掘れた道を5〜10km/h程度のスピードで上下左右に車体を揺らしながら3時間、クワパニに着いた。友人のガイドLP・ラクパの息子のパサン・シェルパと孫娘のヤンドゥが迎えに来ていた。彼の家があるフルルまで1時間歩く。

クワパニ
11/12 フルルーヌン(1470m)徒歩3時間40分
 ここからポーター2人がつく。ダラビル・ガレとラクパ・シェルパ。20日+予備日の食料とキャンピングの荷物はかなりの重さだ。テント2張り、各個人装備、米(ネパール米15kg、ジャポニカ米6kg)、クッキングコンロ、燃料、調理器具・・。後で判ったが副菜はなかった。行く先々で野菜を分けてもらった。ジュティロッジはドミトリーの部屋だったが2人で300Rs。あまり清潔そうではない。夜中にムサ(ネズミ)が走り廻っていた。ダルバートは70Rs。近くの学校に見学に行く。ドネーション1000Rs。

デオラリ
11/13 ヌンーセドア(1550m)徒歩6時間30分
 朝方屋根のトタンを叩く雨音が聞こえた。歩き出す頃には上がった。濡れた石の急な坂道を標高800mまで約2時間アルン川の吊り橋まで一気に下る。そして今度は1000mの登りだ。途中バッティーもなく、農家は農作業に忙しい季節で畑に出ていて誰もいない。やっと一軒の家でヌードルスープを作ってもらう。後からきたポーター達は昼食ぬきで、へとへとになって夕方セドアに着いた。セドアに国立公園のチェックポストがある。入園料は1000Rs、カトマンズで許可を受けている。今年今日までに132名、日本人は2日前に入った1名だった。

アルン川吊り橋
11/14 セドアータシガオン(2100m)徒歩5時間
 同じところにポリスのチェックポストもあった。こちらは104番目。不思議だ。ジンジャーティーをご馳走になった。途中チェクシナラ村の学校の庭で昼食。ダルバート60Rs。トレッカーが珍しいのか子供達が教室から出てきてすぐ近くから眺めている。たどたどしいネパール語で名前を聞いたり、年を聞いたり・・。タシガオンには友人のLP・ラクパ・シェルパとクックのペンパがイギリスからの女医さんとキャンプをしていた。マカルー地区の健康状態の調査と今後の医療支援の事前調査だそうだ。夜は招待を受けてテーブルクロスのひかれたテーブルでコンチネンタルスタイルの食事だった。

タシガオン
11/15 タシガオン
 休養日。暖かいので頭を洗い、体を拭く。そして洗濯。ここは子供達も集まって来ないのでのんびり過ごせた。暗くなってからジャーマニーが3人上から降りてきた。6人パーティーで3人は体調を崩し、ヘリコプターで運ばれたらしい。

タシガオン
11/16 タシガオンーコウマ(3550m)徒歩6時間
 最後の常住の村タシガオンから山道に入る。3時間程でダンカルカに着く。この先バッティーがないのでダルバートを食べる。200Rs。この前後はジグザグの急登だ。1000m登ってディオラリ(小さな峠)、シャクナゲの林が続く。15:00コウマに着く。テントが3張りある。チュクンからシェルパニコルを越えてきたパーティー。氷壁やクレパスがあり難しいルートだ。最近もアメリカ人トレッカーがクレパスに落ちたと聞いた。ここは水場が遠いのでバッティーで夕食を食べる。ダルバート200Rs、テント50Rs、お茶20Rs。

コウマ
11/17 コウマードバテ(3700m)徒歩7時間
 コウマで高度順応のため停滞する予定だったが水場が遠く、風が強く寒いので先に進む。目の前の稜線目指して急登、2時間で尾根道に出る。マカルー、チャムラングが見える。ガイドのラクパが火を焚き、旗を掲げて安全を祈念する。雪の斜面を下りポカリに出る。ブルーの湖面に雪の山が倒影し、草原に座り食事を待つ時間は贅沢だ。チーズガーリックスープとバート(ご飯)の昼食を食べて峠を越える。ケケラ4150m、シンプトンパス4115m、間に大小2つのポカリがある。地図には3つの峠があるがマカルーのガイドは2つだという。ドバテのバッティーにはダンカルカのサウジー(主人)が先着していた。テント100Rs、キッチン100Rs。

カロポカリ
11/18 ドバテーヤンゲリカルカ(3595m)徒歩5時間
 霜が降りてテントが真っ白。谷間なので日が当たらず寒い。バルンコーラに向かって500m急な道を下る。ヤンゲリカルカのサウジーが今日も追い越して行った。バルンコーラに沿って上流へ進む道は今にも岩が崩れそうで(実際落ちたばかりのような石がごろごろしている)急いで通過する。安全なところで昼食。マカルーが川の上流に時々顔を見せる。ヤンゲリカルカは広い草原で風当たりもなく暖かい。気持ちの良いところだ。右岸の岸壁に大きな洞穴が2つあり、聖なる場所になっている。ラーマが瞑想し修行をする。6月には大勢の巡礼者が訪れるという。盛大な焚き火で暖をとる。日本から持参した親子丼を食べる。

ヤンゲリカルカ
11/19 ヤンゲリカルカ
 休養日。7時に太陽が出ると一面の霜が融けてすぐに暖かくなる。一日ごろごろしているには良いところだ。日本人トレッカーがBCから降りてきた。単独、酸素、ガモウバックまで用意しての慎重なツアーだった。
テント100Rs、キッチン50Rs/一日。ドバテ、ヤンゲリカルカ、タダサの主人は同じ人だった。

ヤンゲリカルカ
11/20 ヤンゲリカルカーラマラ(4355m)徒歩4時間30分
 川に沿って進む。妊婦のような形をした大きな岩がある。子宝の神として崇められている。1時間程歩いて登りになる。ヒマラヤンブルーパインの古木の林で快適。タダサのバッティーにはヤンゲリカルカにいた少年が来ていて火をおこして待っていた。お茶、35Rs。雨雲が沸いてきた。下では雨が降っているだろう。午後はジャケットを着て歩く。雲の中だ。対岸の氷瀑が音を立てて落ちる。ジャックカルカには先行していたチェコの2人が天候の回復を待ってテントを張っていた。近くにヘリポートがある。もう一登りしてラマラに着く。小屋が空いていて薪もある。今日はここでボツ。視界0。夕食はゴヤン汁。日本から持ってきた干し納豆のダルスープ。シェルパにも納豆があり、ゴヤンという。小屋番がいないので無料。

ラマラ
11/21 ラマラーマカルーBC(4800m)ーラマラ徒歩7時間
 雪が一晩降り続いて草原が白くなった。さて今日はどうするか。1.停滞、2.BC往復、3.BC泊、4.撤退、ガイドの判断は雪はシプトンパス付近が多く降り、これ以上降り続くと帰りが難しくなるだろう。BCからカナダ人トレッカーが2人降りてきた。山は見えない、風が強い、寒いと早々に下っていった。希望としてはBCにキャンプをし、さらにエベレストの東面を見るためブルンツェBCにキャンプを張りたいのだが、毎年この時期のトレッキングで雪に降られたことがあまりないので少し臆病になる。ポーター達も軽装なのであまり無理をさせられない。テントキーパーを1人残し4人でBCに向かう。

BCへ向かう
 メラはすぐ近くだった。バルンコーラに沿ってゴロゴロする石の上を登っていく。2時間ほどでシェルシェンカルカに着く。広い草原。マカルーのピークが少し見える。強い風に雲が流されて、破れたあいだに雪の嶺がのぞく。マカルーが如如にその姿を大きくする。マカルーの壁が舞台の緞帳のように目の前を覆った。圧巻。下にBCを見下ろす小高い岩の上に日本から持参した般若心経の手ぬぐいをカタの代わりにプジャする。今回はここが最終地点。雲に隠れるマカルーにフェリベトムラ(また会おう)。下りは長い長い長い時間だった。雪を被ったテントに潜り込んだ。 
マカルー
11/22 ラマラーヤンゲリカルカ 徒歩3時間30分
 深夜目が覚めると外が明るい。星空だった。朝P7が赤く染まる。雪道を下る。ポーター達は運動靴なのでかわいそうだが、我々は新雪で少し楽しい.。我々より前に新雪に楽しそうな足跡を残している動物がいる。雪豹だ。足跡を追って下っているうちにルートを失う。沢筋を右に左に渡りながら、やはり雪豹の足跡を追って、やがて道に出た。昼前にヤンゲリカルカに戻った。ここは前日の寒さがウソのように暖かい。シュラフを干す。小さなゴンバにダンネバートプジャ(ありがとうのお祈り)

チャムラング
11/23 ヤンゲリカルカードバテ 徒歩5時間40分
 バルンコーラの川筋の道はガラ場で危険なので日の当たらないうちに急いで下る。そのままドバテまで一気に登る。14:00着。ヤンゲリカルカにいた小屋番はコウマまで下ってしまったらしく誰もいなかった。ポーター達は1時間遅れて遅い昼食になった。

ヤンゲリカルカゴンバ
11/24 ドバテーダンカルカ 徒歩6時間30分
 曇り、時々雪が舞う。シンプトンラ、ケケラのあたりが積雪が多い。20〜30cm 雪が締まっているので歩きやすい。コウマのバッティーで日本人トレッカーに会う。二人目。単独、ガイドなし。天候待ちだ。チャウチャウ(ヌードルスープ)とお茶で90Rs。我々はダンカルカまで下る。テント100Rs、お茶35Rs、キッチン100Rs。

ケケラ
11/25 ダンカルカータシガオン 徒歩1時間50分
 10時前にタシガオンに帰ってきた。。村の近くの道際にバーグ(虎)に頭を食いちぎられたベラ(羊)の胴体だけが横たわっていた。虎は血を好むそうで肉は食べられていなかった。夕食にこの羊の肉のお裾分けがあった(250Rs/1.5kg)。柔らかくてとても美味しかった。テント200Rs、お茶40Rs。

農作業
11/26 タシガオンーセドア 徒歩4時間
 雪は全くなくなり暖かい。民家が点在する。一軒の民家の庭を借りてダルバートを作る。ツゥチェカレラを分けてもらってタルカリ(野菜を炒めたもの)を作る。学校の前を通ると行きに会った子供達に囲まれる。テント100Rs、お茶15Rs、卵40Rs、キッチン150Rs。

村の景色
11/27 セドアーヌン 徒歩5時間30分
 出がけにバナナを買ったら15本で50Rsだった。1000m下って、800m登り返す辛い一日だ。が、行きと帰りは随分違い楽だった。アルン川の手前でダルバート。途中で分けてもらったナス、ニガウリ、スイートポテト・・野菜いっぱいのタルカリが出来た。ツムリンタールからカトマンズに帰る予定が1日早くなるのでブッキングをしたいのだが電話がなかなか通じない。トレッキングも明日でほぼ終了なので夜ガイド、ポーターにボーナス(2000Rs,1000Rs)をわたした。

段々畑
11/28 ヌンーフルル 徒歩5時間
 のんびりと下る。来年開通するというジープ道も所々出来ている。お茶に寄ったバッティーでロキシー(地酒)を作っていた。ガイド、ポーターは早速チャン(どぶろく)を飲み出す。一面にひろがるアライチ(カルダモン)の畑を見学する。今年の収穫は終わっていて来年出る新芽が見えている。カルダモンはカレーの香辛料や漢方薬として使われマカルー地区の大きな現金収入となっている。夜はガイドのラクパの家によばれトンバを飲み、ダルバートをご馳走になる。土壁の小さな部屋の奥に代々チベットで僧侶の家系だったお祖父さんが持ってきたという古い立派な祭壇があった。

マカルー遠望
11/29 フルルーチチラーマネパジャンーカンドバリ
 LP・ラクパの家族に別れを告げてクワパニまで1時間・・と思ったがジープが来ていない。チチラまで歩くことになる。チチラからは棚田の向こうにマカルー、チャムラングの白い嶺がくっきりと青空に浮かんで見えた。ホテルもある。ジープ道が開く前はトレッカーはここに泊まった。良いところだ。チチラからマネパジャンまでトラックのフロントシートに乗せてもらう(150Rs/1人)。商店街の並ぶ中の食堂でダルバート、70Rs。マネパジャンからカンドバリは別の車で30Rs/1人だった。ネパール人料金で、行くときに比べかなり安かった。タイ国際空港が閉鎖されたニュースを知った。

チチラからマカルー
11/30 カンドバリ
 カンドバリはお祭りだった。古い時代の映画の場面を見るようなテントを張った店に輪投げや鉄砲のゲームが並び、観覧車やマジックショウもある。近隣からも人々が集まり賑やかだ。予定より一日早く帰ることになり、ツムリンタールーカトマンズの航空券は新しいチケットを買い直すことになる。100$+Tax12$=112$(18144Rs)。今持っているチケットはカトマンズで返金される。手数料10%

カンドバリのお祭り
12/01 カンドバリーツムリンタールーカトマンズ
 カンドバリからツムリンタールのジープも帰りは100Rs/1人。行きは3人で1000Rsだったからかなり安い。空港は人でごった返していた。シーカとアグニの2便が飛ぶ。トレッカーはチェコの2人と我々の4人。12:00離陸、40分後にカトマンズに戻った。トレッキングが終わった。

ツムリンタールへ

マカルーBC
08/11/10-12/01

マカルーBCは他のトレッキングエリアに比べてトレッカーの数も少なく、報告もあまりない。しかし、出発地点となるツムリンタールにはカトマンズから飛行機が飛び、さらにそこからジープが通る道が延びている。みかんやバナナのなる11月でも暑いところからカルダモンの栽培が盛んな村々をぬけて、4000mの雪の峠を越え、5000m近いマカルーBCまでのトレッキングは変化に富み魅力的なコースだと思う。今回はキャンピングでのシンプルなトレッキングだったが、参考になればと考えて記録を添えることにしました。

ネパールトレッキング
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